デザインスプリントとは実践型事業開発フレームワーク
Google含めGAFAMや欧州の成長企業で実践され、いくつもの成果(新サービス)を世に出しているのがデザインスプリントです。俗に「Googleスプリント」との言われることもあります。
経験豊かな「デザインスプリント ファシリテーター」が進行役に着くことで、短期間での開発と期待成果以上の結果を可能にします。
- 事業開発に必要なメソッドを全て盛り込んだ統合的な実践環境
- 無記名によるアイデア創出と短時間でのアイデア絞り込みによる合理的な進め方
- ユーザーインタビューとその評価システムによる直感的かつ合理的仮説検証
これらの実現により、決まらない会議、意見や考え方の不一致・不調和などよく起こる問題がなくなるので、スケジュールの遅延を回避できます。
デザインスプリントはリーンスタートアップやデザイン思考などとよく比べられますが、これらとの決定的な違いは時間的な制約がないことです。
デザインスプリントでは1つ1つのタスクに細かい時間設定がされていて、それをこなすことで短時間で多くのプロセスを消化できるようになっていますが、リーンスタートアップやデザイン思考にはそれがありません。
ですから仮にデザインスプリントとほぼ同じことが実現できたとしても半年以上はかかるでしょう。スピード開発を要求される現代においては、このデメリットはかなり致命的です。
一方で、ビジネスモデルキャンバスやバリュープロポジションキャンバスなどと比べられることもあります。これらのメソッドの問題点は適用範囲が局部的で、開発初期段階や改善段階で必要なプロトタイプ制作や顧客インタビューによるフィードバック、及び仮説検証などのプロセスがないことです。これではとうてい正しい事業開発はできません。
これらを単独で計画するなら、むしろデザインスプリントの中に組み込んだ方が効果的と言えます。
3つのスプリントは事業開発の進め方そのもの
デザインスプリントを本の通りそのままやっても、実はうまくいきません。スプリントジャパンでは、国内最多の60回以上のデザインスプリントをこれまでに実践してきているので、自信を持って断言できます。
デザインスプリントが誕生してから10年経ちますが、スプリントジャパンでは日本の企業風土に合うようにこれを改善して進化させ「3つのスプリント」に昇華しました。
事業開発で「結果」を出すためには、3つのうちどのスプリントをいつ使うかが勝因になります。
また、2020年4月からは、コロナ禍でも通常と変わらない開発ができるように「オンラインデザインスプリント」も開発し、多くの企業や大学などで活用いただいています。
デザインスプリントはサービス開発の方法ではない
デザインスプリントが間違えられやすい点として「サービス開発の方法」ということがあります。
ネットで検索をすると、ソフトウェア開発やITサービス開発の例が多く出てきますが、ソフトウェア開発やITサービス開発のための特定のメソッドではありません。
スプリントジャパンでは、製造業などモノ作りの現場も含め、実際、あらゆるの業種・業態で活用いただいているからです。
ざっと挙げると、デザイン制作、光学機器、飲食サービス、医療サービス、介護サービス、アパレル、事務用品、食品、金融商品、自動運転の分野、コンサルタント業、コーチ業などです。
デザインスプリントは元々、Googleの課題解決フレームワークそのもので、サービス開発のために生まれたものではないからです。
デザインスプリントVSデザイン思考
デザインスプリントとデザイン思考の最も大きな違いが時間制限があるかどうかです。
デザインスプリントでは、3日間というタイムボックス内で、どのタスクを何分でこなすという細かい時間設定があります。
これにより3日間という極めて短い時間でも1ヶ月から1年以上かかる新規事業開発の凝縮した成果を出せるわけですが、デザイン思考だと同じ成果を出すのに3ヶ月以上かかってしまいます。
デザイン思考では、実際のアクションより思考、考え方を重視するためです。
ですので、スプリントジャパンのクライアントの中でも「デザイン思考ではなかなか成果が出ない」という声を多く聞きます。
念のために付け加えておきますが、デザインスプリントは3日で終了するからといって、精度や正確さデザイン思考より劣るわけではありません。むしろ短時間に凝縮することによって数ヶ月かける工程以上の成果を出すことができまます。
まさに「タイム イズ マネー」の新規事業開発実践法なのです。