一瞬でアイデアの質を5倍良くする方法

果たして、このアイデアを進めて良いだろうか?

この記事は、事業開発やサービス開発のお仕事をされている責任者やマネージャークラスの方のために書きました。

あなたは普段のお仕事の中で、「このビジネスアイデアは、果たして開発に値するだろうか?」とか、ご同僚や部下が考えた「アイデアを正しく評価したい」と考えたことはありませんか?

頭に浮かんだアイデアを実行するにせよ、誰かのアイデアを評価するにせよ、どのように評価すべきかやったことがないから不安だし、正解も分からない、だからついそのままにしてある、ズバリこれが本音ではないでしょうか。

また、外部のコンサルタントに依頼すると何十万、いや、下手をすると何百万円も取られるかなk?というような疑念も沸いてきて、さらに躊躇してしまいがちです。

そんなときに役立つのが、弊社で開発した「初期ビジネスアイデアAI分析・評価エージェント 」(GPTs)です。 このアプリを使えば、そのようなお悩みを一瞬で解決することができます。

初期ビジネスアイデアAI分析・評価エージェント (GPTs)

アイデアを磨くためにAIをコッソリ使うメリット

ビジネスアイデアを良くするには、有能な第三者のフィードバックが欠かせません。しかしその前に、AIと壁打ちをして十分にブラッシュアップできていれば、自身のアイデアに自信が付くと思いませんか?(シャレではありません笑)

  • アイデアの課題が明確になる:人に見せる前に、自分では気づかなかった欠点や弱点を発見できます。
  • 構造が整理される: アイデアを多角的に整理することができ、アイデアを強化できます。
  • 論理的な視点を得られる:感覚的に「良さそう」と思っていたアイデアを客観的に評価できます。
  • 時間の節約になる:思い悩んでいる時間を削減でき、人にフィードバックをもらう準備が整います。

「初期ビジネスアイデアAI分析・評価エージェント」の特徴

このアプリの最大の特徴は、初期アイデアの分析・評価に不可欠な評価軸を選りすぐっている厳選点です。この5項目というのは、弊社でこれまにで様々な事業開発をお手伝いした際に研鑽してきた独自の指標であり、他社ではマネできないものです。

ちなみに、この「5つの評価軸」は、様々なビジネス書でも解説されており、ちゃんと裏打ちされている信頼のおけるものです。

5つの評価軸

指標1. 顧客課題の独自性

顧客課題の目の付け所に独自性があるか?これまでに誰も扱ったことのない課題やテーマか?

今迄誰も気づかなかった視点・分析結果から顧客課題を定義できているか?

この指標で特に留意すべき点は、ビジネスモデルやビジネスアイデアの「独自性」ではない、という点です。この点は、よく勘違いされがちです。アイデアの初期段階では、ビジネスモデルやビジネスアイデアの新規性や独自性よりも「顧客課題の独自性」の方がはるかに大事なのです。この点に気付いている人は、そう多くはないでしょう。

「イノベーションのジレンマ」で有名な故・クレイトン M クリステンセン教授が発表した「ジョブ理論」の中で、こう述べられています。

「今だ顕在化していない消費者ニーズが発見できれば、それは大きなイノベーションにつながる可能性がある」
([出所] クレイトン M クリステンセン 著, 「ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム 」, 翔泳社刊)

「今だ顕在化していない消費者ニーズ」とは、「自社や競合の製品をまったく購入していない無消費者を調査することで得られるケースが多い」ということであり、すなわち「顧客課題」の独自性が高いことと同義であると弊社では定義しています。

指標2. 環境要因の把握度

「環境要因」とは、顧客のライフスタイルの変化・顧客の心理変化・社会構造の変化・業界や社会の技術革新・業界の法改正などのイノベーションにつながる可能性のある要素のことです。

これらをアイデアの初期段階で、情報収集して近い将来を予測する或いはすでに起こっている変化の波に乗ることが大事で、そのことが「売れるサービス・プロダクト」を自然と後押しする、という理論に基づいています。

この点は「イノベーションの競争戦略」という本の中で、様々な事例によって証明されています。中でも分かりやすい例として「ウォシュレット」を挙げておきます。

「『ウォシュレット』は、「リフォームによって、日本全土の新築家屋で和式トイレが洋式トイレ変わる」という社会構造の変化に後押しされ、1970年代では20%にも満たない世帯普及率だったのが、2010年には80%にも広がることとなった。」
([出所] 内田和哉 著, 「イノベーションの競争戦略 」, 東洋経済新報社刊)

指標3. 新たな価値提供度

「新たな価値提供度」とは、顧客に対して今までにない観点で新たな価値を提供できるか?新たな価値創造ができているか?という観点の尺度です。

これは間接的に市場での差別化ポイントや優位性につながります。

ですが、直接、市場での差別化ポイントや優位性という尺度にすると、本質的に創造性が発揮できにくいため、このような観点にしています。

「新たな価値」を創造しているかどうか、という観点にすると、開発者が小さな変化より大きな変化を意識するようになり、結果として、イノベーションにつながりやすくなるという利点があります。

イノベーションというと、クレイトン M クリステンセンの一連の書籍を連想xするかもしれませんが、この件については、タイトル通り、興味深い内容の「イノベーション・マネジメント」を参照します。

「イノベーションは、プロセスで管理できます。外部のリソースや知見を積極的に活用し、新しい価値を創出しやすい環境を構築するのです。」
([出所] トニー・ダビラ, マーク・J・エプスタイン 著, 「イノベーション・マネジメント 成功を持続させる組織の構築 (ウォートン経営戦略シリーズ) 」, 英治出版刊)

指標4. 大きな市場の小さなニーズ度

「大きな市場の小さなニーズ」とは、まどろっこしい言い方ですが、実際の事例を知ると、理解が早いと思います。

最も分かりやすい例は、「テスラ」が創業時にとった戦略です。

「テスラ」は、最初、自動車の王道であるセダン車を開発・販売せずに、高級スポーツカーである「ロードスター」の開発・販売に注力しました。

このことの意味するのは、大きな市場が見込める分野、つまり自動車市場において、いきなり大きな市場のセダン車を対象にせず、意図的にまず小さなニーズの市場創造から始めた、つまり、購入する人が限られている高級スポーツカーに、完全に狙いを定めて開発・販売をしたということです。

この観点に関する論点は、主に2つです。

  • 大きな市場が見込める分野で、いきなり大きな市場に挑まず、まず小さなニーズから始めようとしているか?
  • 限定された領域の課題を解決することで大きな市場開拓が見込めるか?

かつてPaypalを創業した米国の事業家・ピーター・ティールの書籍「ゼロトゥワン」では、このように分析されています。

「スタートアップが成功するための重要な戦略として、小さな市場を支配することから始めるべきです。スタートアップにとって理想的なターゲット市場は、「特定の小さな集団が集中しており、競合が少ないか全くない市場」だからです。」
([出所] ピーター・ティール 著, 「ゼロトゥワン 君はゼロから何を生み出せるか 」, NHK出版)

指標5. ビジネスモデル実現度

「ビジネスモデル実現度」とは、ビジネスアイデア初期段階における収益化の容易さ、確実さを指す言葉として定義しています。

ビジネスアイデアを考える時、よく陥りがちなのは、人と人を結び付ける「マッチングビジネス」です。「結婚相談ビジネス」や「転職エージェント」などがその例ですが、一見、うまくいくそうに見えるのですが、制約するまでに時間がかかる傾向があるので、よほどのノウハウや経験則がないと、なかなかマネタイズできずにビジネスのジリ貧になってしまうパターンが多いようです。

一方、会員サービスやSaaS、サブスクモデルなどの既存のサービス体系を念頭にビジネスアイデアを考えた方が、初期段階では比較的マネタイズしやすいのです。

この観点に関する論点は、主に2つです。

  • マネタイズの方法が、既存のサービス体系を念頭に組み立てられているか?
  • サービスやプロダクトが持つ機能の領域をマネタイズしやすいように制限できているか?

この観点については、具体的に記述されている書籍はないので、参考にした書籍のみ挙げておきます。

([出所] 近藤 哲朗 著, 「ビジネスモデル2.0図鑑 」, KADOKAWA)
([出所] 船井総合研究所 著, 「このビジネスモデルがすごい!2――時代が変化しても持続的に成長する企業は何が違うのか? 」, あさ出版)

使い方

使い方は、次の5ステップで分析・評価に必要な情報を入力するだけです。 あらかじめPDFにしておき、アップロードすれば1度の作業で完結します。

Step1. 業界・市場の確認

分析・評価を得たいサービス・プロダクトアイデアの業界又は市場を入力

ですが、参考にした書籍を挙げておきます。

Step2. 顧客セグメントの確認

想定している顧客の属性をできるだけ詳しく入力

Step3. 顧客課題の確認

顧客が抱いている「日常の不」または顧客課題を入力

Step4. サービス・プロダクトアイデアの確認

顧客課題を解決するアイデアの概要とできるだけ詳細な情報を入力

Step5. 既存の代替サービスの確認

顧客が課題解決に現在使っているサービスやプロダクトがあれば入力

なければ「なし」と入力

分析・評価の例

それでは、「初期ビジネスアイデアAI分析・評価エージェント 」で、どのようなアウトプットが出力されるのか以下に例を挙げておきます。このアウトプット例は、「糖尿病患者向けのAI管理アプリ 」というアイデアを入力した場合のものです。アイデアを次の5つの項目(市場・顧客セグメント、顧客課題、サービス・プロダクト案<できるだけ詳しく>、現在代わりに使っているサービス)でまとめておくのが精度の高い分析・評価が得られるポイントです。

糖尿病患者向けアプリの分析・評価

業種・市場の確認

業界: 医療業界、スマートヘルスケア市場

顧客セグメント: 55歳・男性・自営業・糖尿病患者

顧客課題:

  • 糖尿病の管理に手間がかかる
  • 診察情報の記録が難しい
  • 食事管理の不安

アイデア: 糖尿病患者向けのAI管理アプリ(診察データや食事記録の一元管理、献立提案、SNS機能)

5つの評価指標での分析

1. 独自性 ★★★☆☆

評価理由:

  • AIを活用した糖尿病管理アプリは新しいものではない。
  • 既存アプリと比較し、SNS機能や食事の写真分析などの付加価値がある。

改善点:

  • リアルタイムアドバイス機能を強化する。
  • 医療機関と連携し、診察データの自動入力機能を追加。

2. 環境要因の把握度 ★★★★☆

評価理由:

  • 高齢化社会、生活習慣病の増加などの環境要因を捉えている。
  • 医療データの規制に対応が必要。

改善点:

  • 法規制に対応した設計を検討。
  • 電子カルテや病院システムとの連携を強化。

3. 新たな価値提供度 ★★★★☆

評価理由:

  • 手軽な糖尿病管理が可能。
  • SNS機能で孤独感を軽減。

改善点:

  • AIの分析精度を高める。
  • 医師や栄養士との連携を強化。

4. 大きな市場の小さなニーズ度 ★★★★☆

評価理由:

  • 糖尿病患者市場は拡大中。
  • 特定ターゲット層へのアプローチが有効。

改善点:

  • 初期ターゲットを明確化。
  • 他の生活習慣病にも応用可能な設計を検討。

5. ビジネスモデル実現度 ★★★☆☆

評価理由:

  • 収益モデルを明確にする必要がある。
  • BtoB戦略(病院・保険会社との提携)も視野に。

改善点:

  • Freemiumモデルを検討。
  • 医療機関や保険会社と提携。

最終評価(100点満点中:78点)

  • 独自性: ★★★☆☆(15点)
  • 環境要因の把握度: ★★★★☆(18点)
  • 新たな価値提供度: ★★★★☆(18点)
  • 大きな市場の小さなニーズ度: ★★★★☆(18点)
  • ビジネスモデル実現度: ★★★☆☆(15点)

総合コメント

このアプリは糖尿病患者の管理を簡単にする明確な価値を持っています。ただし、既存アプリとの差別化、法規制対応、マネタイズの明確化が課題です。

医療機関との連携や専門家の監修を強化し、スモールスタートで展開することで成功確率が高まるでしょう。

これで分析・評価をすべて完了しました! 🎯

まとめ

初期ビジネスアイデアAI分析・評価エージェント 」を利用すると、このようなアウトプットが瞬時に得られます。

AIにより、自分目線では決して気がつかない多くの指摘を瞬時に得られ、これを盛り込んでアイデアをブラッシュアップすれば、より高品質なアイデアに進化させることができます。

ちなみに、AI相手ですから、いつでも何度でもアウトプットすることができ、ブラッシュアップすればするほど、精度が高くなり、内容が濃くなります。

誰にも知られずに、コッソリと改善点が手に入るのは、良くありませんか?

以下に「初期ビジネスアイデアAI分析・評価エージェント 」を利用メリットを挙げておきました。

  • 自分のアイデアの強みと弱みが順次に明確になる
  • 人に相談する前にアイデアをブラッシュアップできる
  • 人からの質問に予め備えておける
  • 短時間でアイデアの精度を極限まで高められる

このアプリを活用して、あなたやあなたのプロジェクトチームのレベルアップにお役立てください!

AI初心者でもカンタンに使える「使い方動画」をご用意しています。ご興味のある方は、こちら からお気軽にお問い合わせください。同業者の方も歓迎致します。

執筆者

SPRINTマスター夏本 健司

事業創造イノベーター/AIソロプレナー

夏本 健司

スプリントジャパン株式会社 代表取締役。東京藝術大学美術学部卒業後、テレビ朝日グループ、電通グループを経て2002年に独立。

20年間ウェブ構築ディレクター/UIデザイナーを経験したのち、2016年に「デザインスプリント」のテストマーケティングとメソッドのローカライズ化を始める。

2021年からは「顧客開発モデル」をベースにした「失敗しない事業開発の方法」を深化させている。

2023年からは、AIによる事業創造の業務プロセスとタスクの生産性向上を推進している。

主な実績
◼ デザインスプリントと顧客開発モデルのファシリテーター歴7年、2025年4月までにのべ1,100人以上に研修ワークショップを開催
◼ 2025年4月までにソニー、ホンダ、トヨタ、日産、リクルート、NTTドコモなど国内大手中堅組織50社以上にデザインスプリントと顧客開発モデルの導入を支援

成功事例やサービス詳細をお届けします。

最新情報を請求する

コスパや導入メリットも分かります!