両利きの経営と新規事業開発

昨今、多くの企業で既存事業の売上が伸び悩んでおり、新規事業の道を模索し始めているようです。

ネット上で新規事業やイノベーションに関する記事が以前よりも多くなってきているように感じますし、弊社への問い合わせも徐々に増えてきているからです。

新規事業に関する各社で公表されている数値と、官庁発表のデータから推測すると、新規事業の成功率、すなわち事業として成立する可能性はわずか10%未満であると試算できます。

一方、書籍「両利きの経営」では、新規事業を成功させるためには「リーダーのバランス能力」が不可欠と書かれています。

何のバランスかと言えば「知の探索」すなわち既存事業の深化と「知の探索」すなわち新規事業の進化です。

しかし組織の中で、この2つのバランスを取る、あるいは取り続けることは非常に難しく、完全にリーダーの能力に依存すると記されています。

すべての企業に、こうしたバランスの取れるリーダーが在籍しているわけではないでしょうから、必然的に、新規事業で成功する企業の数は制限されてしまいます。

ここが新規事業開発の成功率が上がらない大きな要因ではないでしょうか。

実は新規事業開発の成功は、リーダーに頼らなくても、もっと簡単に、早く成し遂げることができます。

それは「仕組み」を構築し、活用することです。
具体的には、新規事業開発を推進する「プロセス」を社内で根付かせることです。

この「プロセス」を社内で根付かせる「仕組み」があれば、有能なリーダーがいなくても、新規事業を立ち上げることができます。

もっと具体的にお話ししましょう。

それは「デザイン思考」の「実践版」である「デザインスプリント」を実行することです。

「デザインスプリント」または単に「SPRINT」とも言いますが、簡単に言うと「デザイン思考」を業務や日々の作業レベルまで落とし込んだ「タスク集」のようなものですから、有能なリーダーがいなくても、業務や日々の作業の「プロセス」によりどんどん開発を進めていけます。

逆に、新規事業開発の業務や日々の作業がこなれてくると、そこから新たなリーダーが育っていくこともあります。

このように、存在しないリーダーを渇望して新規事業開発を失敗させるより、「デザインスプリント」による開発をどんどん進めることにより、リーダーを育てる方が、現実的と思いますがいかがでしょうか。

執筆者

SPRINTマスター夏本 健司

SPRINTマスター

夏本 健司

スプリントジャパン株式会社 代表取締役。東京藝術大学美術学部卒業後、テレビ朝日グループ、電通グループを経て2002年に独立。

20年間UIデザイナー業務を行ったのち、2016年よりデザインスプリントのテストマーケティングとメソッドのローカライズ化を始める。

主な実績
1998年:保険業界の新規ビジネスにて5億円の出資を成功させる
2000年:建築業界の新規ビジネスにてゼロから月商4000万円の事業へ
2002年:金融業界の新規ビジネスにて会員数を2万人から20万人へ成長させる
2004年:教育事業の立ち上げにて52のカリキュラム構築を担当
2005年:健康分野の新規ビジネスにて3ヶ月で損益分岐を達成
2016年:デザインスプリントをサービス化を開始

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