検証後の成果について

デザインスプリントの最も重要なポイントは、「フェーズ6:検証する」で1対1の顧客インタビューを行って仮説を「検証する」ことです。

これを無くしてデザインスプリントは成立しません。

仮説とは、「フェーズ2:定義する」で作ったサービス・ブループリント(こうあって欲しいという商品の消費過程やサービスの利用順など)であり、これを元にして作られるプロトタイプ(プロダクトの試作品)のことです。

顧客インタビューの結果が想定通りの反応の場合は、仮説が正しかったと判断できます。

逆に顧客インタビューの結果が想定とは異なる反応だった場合は、仮説が間違っていた、ということになります。

これまで行ったプロジェクトの成果の一例をご紹介すると、

これらの判断(成果)を得るのに、わずか3日しかかかっていないことに、ご注目ください。プロダクトの販売前にこういったことが明確に分かるということがどれだけ価値のあることか、お分かりいただけるでしょう。

多くのプロジェクトでは、意見がなかなかまとまらずに会議が延々と続くのに対し、デザインスプリントを実施すると、極めて短い期間にスッとチームの意見がまとめることができるのです。

これらが実現できる理由は、洗練されたツールがあるおかげです。

【クリエイションブック】

デザインスプリント
「クリエイションブック」はA3サイズのブックレットです。デザインスプリントの個人ワークを全てこれに書き込むことで完結させることができます。

「フェーズ6:検証する」のパートでは、成果を出すための顧客インタビューシナリオを雛形から30分程度で作ることができ、そのシナリオに沿ってインタビューをすることでざっ線をせずに効率的に間違いなくインタビューをすることができます。

また、インタビューのコメントを必要な要素ごとに箇条書きに書き出すシートも人数分用意されているので、客観的な定性データとして活用することができます。

【クリエイションシート】

デザインスプリント
「クリエイションシート」は、ホワイトボードの代わりになる841 × 1189mm(A0)の大判シートです。[1]から[7]まであり、全てのグループワークをここに記録することができ、ホワイトボードを一切使わずに完結させることができます。

成果物として非常に分かりやすく、新聞のように織畳んで保存しておくことで、いつでも見返すことができます。

デザインスプリント

インタビューシナリオ:穴埋めをするだけで、正しいインタビューシナリオを短時間で作成できます。

デザインスプリント

インタビューメモ:インタビューシナリオの順に沿って無駄なく記録を取ることができます。

デザインスプリント

改善メモ:インタビューメモを見ながら改善点を書き出すことで的確な改善点を浮き彫りにすることができます。

デザインスプリント

アクションメモ:改善点が明確になったことで、検証結果を判断することができます(◯は、仮説通りの方向性で進める象徴)。

デザインスプリント

△は、仮説通りではなかったので微調整や方向転換が必要な象徴。

デザインスプリント

×は、仮説が成立しないことの象徴(顧客の課題は存在しない。あるいは顧客プロファイルの変更が必要)

これらの結果が、プロジェクトメンバー全員の意見一致のもとに短期間で決まる、ということがデザインスプリントの最大のベネフィットです。

執筆者

SPRINTマスター夏本 健司

SPRINTマスター

夏本 健司

スプリントジャパン株式会社 代表取締役。東京藝術大学美術学部卒業後、テレビ朝日グループ、電通グループを経て2002年に独立。

20年間UIデザイナー業務を行ったのち、2016年よりデザインスプリントのテストマーケティングとメソッドのローカライズ化を始める。

主な実績
1998年:保険業界の新規ビジネスにて5億円の出資を成功させる
2000年:建築業界の新規ビジネスにてゼロから月商4000万円の事業へ
2002年:金融業界の新規ビジネスにて会員数を2万人から20万人へ成長させる
2004年:教育事業の立ち上げにて52のカリキュラム構築を担当
2005年:健康分野の新規ビジネスにて3ヶ月で損益分岐を達成
2016年:デザインスプリントをサービス化を開始

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