「デザイン思考」の誤解を解く
最近しばしばニュース記事に取り上げられるうようになった「デザイン思考」ですが、どうやら曲解をされたり、都合の良いように解釈されている傾向があるので、本質的な部分について書いてみたいと思います。
まずWikipediaで調べてみると、
「デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉」
となっています。
私は、20年来(学生時代も含めると25年以上)アートとデザインの分野に身を置いていましたが、作品を制作する時、諸先輩や担当教授によくこんなことを言われました。
「手を動かしながら考えよ」
今でもこの言葉は、いつも心のどこかにひっそり置いてあり、ことあるごとに思い出しています。
このことも含め、アートやデザインの分野では「当たり前」として言語化されていないことを体系化したものが「デザイン思考」の本質部分なのです。
これ以外には、いくつかの「先人の教え」があり、それは次のようなものです(以下、順不同)。
「全体と部分を常に相互に対比しながら進める」
「発散と収束を繰り返し求めたい答えを発見する」
「言語ではなく視覚言語を使う」
「直観やセレンディピティを大切にする」
「利用者視点で考える」
これに加え、
「一度やり出したら、集中して終わるまで続ける」
という暗黙の掟のようなものもあります。
およそビジネスの現場で言われていることとは真逆のことを、デザイナーという職種の人たちは「掟」として守って創作活動を続けてきました。
ビジネスの現場で言われていることとは真逆なので、昨今、「デザイン思考」という概念で新鮮に取り上げられているのではないかと思います。
こういった背景があるので、表面的なところだけ捉えられて曲解をされたり、都合の良いように解釈されたりするのでしょう。
もちろん、ここで「デザイン思考」のことについて書いたのは、弊社のサービスである「デザインスプリント」のファシリテーションに通じているからです。
私自身、実は「デザイン思考」のファシリテーターも務めたこともあるのですが、実践方法を具体的に突き詰めると「デザインスプリント」になっていくことが、体験を通して実感できました。
ですから、「デザイン思考」の定義が間違っていたり、ブレていたりすると、あまり良くないのです。
もし、あなたが「デザイン思考」についてもっと深く学びたかったり、興味を持っていただいたのなら、実践方法としての「デザインスプリント」を学んでみることをお勧めします。
スプリントジャパンでは”SPRINT”として、理論と実践法を短期間で体系的に学ぶことができます。