Q2. デザインスプリントのサイクルは、何回くらい回すとプロダクトが明確になるか、目安はありますか?

Q2. デザインスプリントのサイクルは、何回くらい回すとプロダクトが明確になるか、目安はありますか?

A2. デザインスプリントを何回実施すればプロダクトが明確になるかについては、実のところ業種やプロジェクト、企業によって千差万別です。

例えば、とある英語教材企画会社では、5人で1チーム X A,Bの2チームでゼロから新サービスの開発を行いましたが、Aチームはデザインスプリント01を1回実施した結果、想定した「顧客の困った状況」が実在しないとインタビューの結果判明したため、次のアクションとしてデザインスプリント01をもう一度実施することにしました。

しかし2回目の結果も想定した「顧客の困った状況」が実在しないとインタビューの結果判明したため、さらに3回目のデザインスプリント01を実施する計画です。

一方、BチームはAチームと全く同じタイミングでデザインスプリント01実施した結果、想定した「顧客の困った状況」も、解決策としてのサービスも、インタビューの結果、想定した通りと判断できたので、次のアクションとしてデザインスプリント3.0を実施してMVPの精度を向上させました。

Bチームはその後、MVPの作り込みと本格的なアプリ開発(PoC開発)を進める計画です。

進め方の傾向としては、開発期間や工数の関係で何度もスプリントを回せないプロジェクトや企業が多いのが現状です。

講座講座のカリキュラムにあるような基本プロセス→改善プロセスという進め方ではなく、01も3.0も基本プロセスのみとなるケースもあります。

比較的期間や工数に自由度のあるスモールビジネスのオーナー企業では、これまで最大で1年で10回のスプリントを回して1つのサービスだけでなく、周辺サービスやフォロー体制などを検証した例もあります。

比較的大きな組織やプロジェクトまたは幾つかの部署をまたがるプロジェクト・案件の場合は、スプリントの実施計画(テーマの決定、メンバーのアサイン、時間の確保など)から実施後の会社への報告会(結果の評価・判断)まで大体3ヶ月から4ヶ月程度かかるようです。

これを1サイクルとすると、この間に1回スプリトを実行するか、2回にするかあらかじめ決めることによって、初期の開発深度が決まってきます。

どこまで進むかは「実際、やってみないとわからない」ことが多いので、成功率を上げるためには、スプリントの回数や期間・工数は固定しておき、

(1) 顧客起点である「顧客の困った状況」の精度を上げる

または

(2) チーム数をできるだけ増やして「新サービスアイデアの数を増やして確率を上げる」

の2通りが考えられます。

これまでに最大6名1チームX6チームで同時スプリントを回した事例があります。

この場合、同時に6つ以上の事業アイデア・サービスアイデアが検証できるわけですね。

(2)は書いてある通り、そのままの意図ですが、(1)はデザインスプリント01のステップ2の「ジョブ」の精度を高めることが必須です。

つまり最初のタスク「顧客の困った状況」の着眼点と精度が甘いと、結果的にプロダクトの質もボケてしまうことになります。

ただ「ジョブ」の精度を上げるのは、初心者には難しいことと言えます。初めてメンバーに加わった方は皆、最初は勘所が掴めないように思えます。

何回かやると慣れて来るので、デザインスプリント01の1日目だけ単独で数回やっておき、数と精度を上げてから2日目を実施するという方法も解決策の1つです。

また、デザインスプリント01の前に、特定の市場や現存の業界の課題を分析しておき、このデータや知見をヒントに「ジョブ」の精度を高めると効率が良いかもしれません。